◆7月の聖句によせて 主はわたしを青草の原に休ませ 憩いの水のほとりに伴い 魂を生き返らせてくださる。 詩篇23篇2〜3節 新共同訳
「清らかな魂」、「清らかな精神」、「清らかさ」をわたしたちは愛します。もうずいぶん前になりますが、「エレファント・マン」(1980)という映画が話題になりました。
19世紀英国に実在したジョセフ・メリックという方の人生をモデルにしたデビド・リンチ監督の作品です。メリック氏はプロテウス症候群という極めてまれな病気に罹患し通常の外貌が損なわれてしまい、激しい差別やいじめ、虐待に会いました。しかしそれにもかかわらず、優しい心と清らかな魂を失うことなく短い生涯を生き、27歳で事故死しました。
詩篇のこのみ言に触れると、映画の中でメリック氏が暗唱するシーンが思い浮かびました。美しい女優さんが他方で登場します。観ている者は、外貌の美しい女優さんの示す「差別的な心の醜さ」と、メリック氏の「魂の清らかさ」が見事なコントラストをもって見えてきます。今まで見えていなかったものが見えてきます。
美しさ、清らかさとはいったい何なのか、目に見えるもの事柄の次元の問題ではないのだ、というメッセージが伝わって来るのです。
”私の姿がどこかおかしいのは事実だ
しかし私を咎めることは神を咎めることだ
もし私が自分を創りなおすことが出来たならば
私はあなたを落胆させはしないだろう
もし私が巨大で塔に触れることが出来たとしても
あるいは手のひらで海を掴むことが出来たとしても
私は精神によって測られるべきである
精神こそが、人間のもの差しなのだから”
― ジョセフ・メリック
「主はわたしの牧者であって、わたしには乏しいことがない。
主はわたしを緑の牧場に伏させ、いこいのみぎわに伴われる。
主はわたしの魂をいきかえらせ、み名のためにわたしを正しい道に導かれる。」
口語訳