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    11月の聖句によせて  「大地は作物を実らせました。」    詩編67編7節  

    • 2014.10.29 Wednesday
    • 15:22
     
    JUGEMテーマ:建学の精神

     ペルー・標高4500mの村での暮らしを描く番組を観て感動しました。富士山より高いところで暮らしている人々です。子どもらは午後2時に学校を終えると、両親が耕すジャガイモ畑に走ってゆきます。酸素が薄いのに全然平気、笑顔です。こういう子どもはきっとマラソンが強くなる。山の斜面の畑には何十種類ものジャガイモが栽培されていて、村人の主食になります。ジャガイモの原産地はアンデス。やがてヨーロッパ、アジアへと伝わってゆきます。富士山より高いアンデスの山々、森はもう形成されていません。そんな高地の谷間に30家族くらいがビクーニャの毛を刈り、アルパカを追い、ジャガイモを育て暮らしています。日本でのわたしたちの生活ってなんだろうって考えてしまいます。こういう原点みたいな生活を、わたしたちは忘れてはいけないと思います。

      イギリスのダニエル・デフォーの『ロビンソン漂流記』は、無人島で、独力で暮らしを立ててゆく姿を描いていますが、 マックス・ウェーバー、大塚久雄などの学者にも採りあげられている人間精神と経済の関係を考える上での格好のモデルとされています。

       絶海の孤島で、一人で生きてゆくとしたら、どうやって生きてゆくでしょう。自分の身にそういう状況が生まれたらどうでしょうか。環境との関わり、時間との関わり、すべては真剣な見通しのもとで、知恵をしぼってゆくしかありません。

       倉本聰氏は、北海道富良野で暮らし始めた頃のお話をしていました。「何もかも自分でしなければならない。都会暮らしの頃は、すぐお金をつかって誰かに頼む事しか考えなかった。でもここでは違った。ある時、ものすごく大きな岩があった。なんとかどかさないと道が通らない。ダメだと思った。とても無理だと。地元の若者に聴いた。『君なら、どうする?』と。すると若者は、『やるしかないならやるよ』と言い放って、岩の周りの土を掘り始めた。そして何日も続けるのです。この違いです。知恵というのは知識とは違う。これが知恵だと思った。」

       ジャガイモはやがてヨーロッパにわたり、雑穀と麦しかなかった国々の食糧難を救いますが、疫病が蔓延し、ジャガイモが全滅してしまいました。大勢が餓死しアイルランドでは人口は半減しました。この「ジャガイモ飢饉」を経て、200万人がアメリカ、カナダ、オーストラリアなどへ移住します。多くの餓死者を出してしまった原因は、ジャガイモについての防疫対策がなかっただけでなく、経済の失策でした。

      大地は作物を実らせます。実り豊かにするためには伝聞の知識ではなく、見通しをもった知恵、持続する志が必要です。ロビンソンの合理性、アンデスの感性、富良野の知恵・・・・・。神さまが与えたもう大地との対話を忘れずに今日を生きる。たくましい子どもたちに育ってほしいと日々祈ります。

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